自己点検?評価の対象期間:
平成26年
04月
01日
~
平成27年
03月
31日
生澤 繁樹(准教授)
<教育活動>
授業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取り組み
昨年度までの取り組みと同様,188体育の授業では,取り扱うテーマを刷新し,授業内容をあらためた。また学部の授業では,オリジナルの授業教材を作成?配付し,必要に応じてパワーポイント,映像,ワークショップ型の授業など,様々な教育メディアを効果的に取り入れ,分かりやすさと発見をともなう授業をめざした。授業評価の結果を反省的に受けとめるとともに,入門的知識と専門的知識の間のバランスや授業難易度の設定など,受講者の関心の多様性に配慮しながら授業方法の改善を施した。成績評価については,とくに学部授業においては,例年どおり受講者の各回の提出課題の評価に加え,試験の採点基準,評価のポイントを事前に周知し,厳密かつ公正な成績評価に努めた。
【観点2】教育の達成状況
授業評価の結果から判断する限り,授業における教育活動のねらいはこれまで同様,概ね達成されたと考えられる。とくに188体育での授業科目においては,学習者自身の取り組み,授業者の授業内容,授業方法ともにそれほど低くない授業評価を得ていると判断できる。過去3年ほどの達成状況と比較しても一定の評価を継続して得られたといえる。今後は,教師という仕事や教育事象を省察するための原理的な視点の獲得とともに,教職への意識や熱意をより高めるような魅力ある授業展開を工夫したい。
研究指導
【観点1】学部
学部4年生3名,3年生3名の指導を担当した。卒業論文の作成に向けて,学校臨床に関連する文献や資料の収集,先行研究の検討を行なった。毎週のゼミ内での研究報告,議論を通して研究課題についての考察?分析を加えるとともに,合同ゼミや卒論?修論検討会の合同実施など,188体育のゼミ生と研究交流する機会を設け,教育に関する高度な分析力と実践への基礎力を育むことをめざした。
【観点2】188体育(修士課程、専門職学位課程、博士課程)
修士課程1年生2名,2年生4名,3年生2名の188体育院生の指導を行なった。またメキシコからの教員研修留学生1名の指導を担当した。修士課程では,修士論文の作成に向けて,学校臨床に関連する文献や資料の収集,先行研究の検討を行なったほか,毎週のゼミ内での研究報告,ディスカッション等の諸活動を通して研究の基礎をかためつつ,研究課題に関する考察?分析を深めていった。さらに新潟市内の小学校の協力を得て,オキュペーションに着想をえた授業開発研究と実践づくりに携わった。また学会報告?参加等を通じて,学内外の大学教員?学生との研究交流を積極的に図り,修士論文構想の報告?検討を合同ゼミとしても実施するなど,研究指導上のネットワークづくりも重視した。
その他の教育活動
- 富山大学非常勤講師「教育の思想と歴史」(前期集中)
- 富山大学非常勤講師「教育の思想と歴史」(後期集中)
- 新潟県立看護大学非常勤講師「教育学」(前期)
- 新潟県立看護大学188体育非常勤講師「看護教育学」(後期)
- 兵庫教育大学188体育連合学校教育学研究科「学校教育学特別研究」
- 教育実習における学生指導11 名(安塚中学校,板倉中学校,妙高中学校,城東中学校,八千浦中学校,大和川小学校,188体育附属小学校,大和小学校,大町小学校)
- 学びのひろば顧問(わくわく×ハンター!)
- バドミントン部顧問
◎
特色ある点及び今後の検討課題等
- 博士課程の授業を担当した。また学外非常勤講師として,教育学,教育思想と歴史,看護教育に関する科目を担当し,研究課題についての資料収集や研究上の交流を図ることができた。学内のみならず,学外(新潟県立看護大学)においても授業評価を実施し,一定の評価を得ることができた。さらに,修士課程2年の所属ゼミ生1名が学会発表を行ない,修士論文作成に向けた中間的な研究成果をまとめる機会を得ることができた。学びのひろばクラブ担当顧問としては,各回の活動やイベントに積極的に参加し,顧問としての職務遂行に務めた。
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)
平成27年
02月:
学校変革アプローチの基礎的考察,東京学芸大学紀要(総合教育科学系Ⅰ),66巻,
pp.135-160
(2)
平成26年
08月:
教育と社会倫理─デューイ倫理思想の形成と論理的諸条件─,イギリス理想主義研究年報,10号,
pp.23-34
業】(1)
平成26年
10月:
書評:上野正道著『民主主義への教育──学びのシニシズムを超えて』,『近代教育フォーラム』第23号(教育思想史学会),
(2)
平成26年
08月:
教育哲学の政治的機能を回復させる─大学改革のモダニティに抗いつつ─,『教育学術新聞』第2576号,
(3)
平成26年
05月:
「教育の領分」から考える─哲学と政治のあいだ─,『教育哲学研究』第109号(教育哲学会),
共同研究(幼、小、中、高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)「学校変革」共同研究 研究会,代表者:末松裕基,(東京学芸大学)
(2)オキュペーションに着想を得た授業開発研究と実践,代表者:生澤繁樹,(188体育)
学会活動への参加状況
(1)
平成26年
10月
25日:
~
平成26年
10月
25日:
アメリカ教育学会?第26回大会,
(2)
平成26年
10月
11日:
~
平成26年
10月
12日:
教育思想史学会?第24回大会,
(3)
平成26年
10月
04日:
~
平成26年
10月
05日:
日本デューイ学会?第58回研究大会,
(4)
平成26年
09月
13日:
~
平成26年
09月
14日:
教育哲学会?第57回大会,
(5)
平成26年
08月
09日:
~
平成26年
08月
10日:
日本学校教育学会?第29回大会,
(6)
平成26年
06月
21日:
~
平成26年
06月
21日:
上越教育経営研究会?2014年度研究発表会,
(7)
平成26年
04月
01日:
~
平成27年
03月
31日:
上越教育経営研究会編集委員?編集幹事(上越教育経営研究会)
外国における研究の状況
(1)
平成26年
09月
23日:
~
平成26年
09月
30日:
韓国 海外教育研究C
◎特色?強調点等
- 2014年度は,科学研究費?若手研究(B)「デモクラシーによる『公衆』の形成─アメリカ学校改革論の社会思想史的研究─」の研究を推進するなかで成果発表の機会に多く恵まれただけでなく,そうした活動を通して研究課題の解明にせまる一定の重要な知見と示唆を得ることができた。また共同研究としては,①学校変革,②学校現場でのカリキュラム?授業開発,③看護?医療系研究者との共同研究会などがおもな特色?強調点として挙げられる。なかでも教育実践や地域の教育課題への独自の寄与?貢献として,現職教諭,現職派遣院生,188体育生らの協力のもとに,ジョン?デューイのオキュペーションの理論に着想を得た授業開発の研究とその実践に取り組み,協働の対話のなかからこれからのよりよい教育を創造するための示唆や成果を得ることができたということが挙げられる。
<社会との連携>
社会的活動状況
◎社会への寄与等
昨年度に引きつづき,現職教員が主催する学外における学びの場をつくる目的で結成された自主的な研究サークルの運営に関わった。いまだ試行的な学びの場であるものの,新しい授業開発や実践づくりのための場ともなっており,今後はさらに社会に対する寄与へとつなげ,学校現場へと貢献する機会をいっそう広げていきたいと考えている。