自己点検?評価の対象期間:
平成26年
04月
01日
~
平成27年
03月
31日
松浦 亮太
(准教授)
<教育活動>
授業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取り組み
実技では、水中環境において水泳に結びつけられる動作を複数の観点から試行錯誤させ、水中環境での身体のふるまいについて総合的に理解させようとした。同時に、運動生理学およびバイオメカニクスの視点から補足説明し、実践と学術的知見との連携を意識させるように取り組んだ。採用試験では技能が最重要視されることから、技能が未熟な者に対しては集中講義で段階的指導を行った。講義では「身体教育のための体育」を志向し、教科内容を考案?批判する能力を養成するため、運動を支えている生理機能の紹介を行った。
成績について、実技では授業への参加姿勢に加えて、身体動作を言語化する能力および最低限の技能習得を評価した。講義では基本的な事項の理解をレポート形式で評価し、理解を表現する能力に重点を置いいて行った。
【観点2】教育の達成状況
授業を担当した学生がほとんど卒業?修了していないので実態はよくわからないが、実技指導によりほぼ全ての学部1年生および免P生が採用試験の基準に達したと考えている。水泳における身体知から、運動と身体の関係性への志向が生まれることを期待している。この志向を促進するため、学術的知見と身体知の共感を意識させることが重要であり、講義と実技の相互作用を意図した取組は変わらず続けていく。また、共感できない部分への探求が、研究という形でより深い運動への理解の発露となることを期待している。
研究指導
【観点1】学部
該当年度には、研究指導する学部所属者がいなかったため評価は出来ない。
【観点2】188体育(修士課程、専門職学位課程、博士課程)
体育で何かを教える方法ではなく、教える内容を自ら調査?発見する方法、およびその内容の批判方法の習得に重点を置いた。具体的には、自らが欲する専門的な情報を取得して読解する能力を高めるように指導した。加えて、書くことおよび話すことで物事を他者へ伝えるという教員に必要な能力を養成するため、わかりやすくて見やすいプレゼンテーションを細部にわたり指導した。実験を通して運動に関わる調査方法を紹介するだけでなく、被験者への指示の出し方、スケジュール管理など実践的な取組を通じた指導も行った。
その他の教育活動
- 教員採用試験直前講座(体育実技)において、各県の採用試験実施状況に基づき、クロールおよび平泳ぎの技能指導を行った。課外活動において、水泳サークルの相談役として環境整備やプール管理に努めた。
◎
特色ある点及び今後の検討課題等
- 「身体教育のための体育」を実践できる教員の育成を目指している点が特色である。運動生理学?神経科学?バイオメカニクスの知見を教授することで、体育で取り上げることが可能な身体機能とその指導の実践方法を検討していける者の養成をすすめている。講義と実技の連携を意識した教育に続けて取り組んでいく。今年度は、より実践的な取組として、個々の学生が運動を通じて得られた感覚や意識を表現させ、一般的な理論の枠と比較させることを実施した。
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)
平成27年
02月:
Effects of fatiguing unilateral plantar flexions on corticospinal excitability and transcallosal inhibition in the primary motor hand area,Journal of Physiological Anthropology,34巻,1号,
pp.4-
(2)
平成27年
01月:
Effects of heat exposure in the absence of hyperthermia on power output during repeated cycling sprints,Biology of Sport,32巻,1号,
pp.15-20
業】(1)
平成27年
03月:
教科内容構成「体育?保健体育」(共著),188体育カリキュラム 企画運営会議,
発】(1)
平成26年
09月
遠隔筋の持続的収縮後における皮質運動路興奮性の変化は遠隔筋促通効果に関連しない,第69回日本体力医学会大会,
他】(1)
平成26年
07月
:
188体育学園だより JUEN,
共同研究(幼、小、中、高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)高強度運動時の呼吸亢進が下肢筋の皮質脊髄路興奮性に及ぼす影響,代表者:柚木孝敬,(北海道大学)
学会活動への参加状況
(1)
平成26年
09月
19日:
~
平成26年
09月
21日:
第69回日本体力医学会大会,
◎特色?強調点等
- 昨年度に続き、運動中および運動後における上肢と下肢の神経調節の相互作用について検討した。これは科研費申請課題と関連した内容であり、得られた知見から学会で口頭発表を行い、学術論文も複数公刊された。随意呼吸と下肢の神経調節の関係についても継続して検討した。上肢?下肢?随意呼吸の相互作用を神経調節の観点から統合的に検討した研究はこれまでになく、実態に近い身体運動を捉えるための斬新な試みである。加えて、上肢運動?下肢運動?随意呼吸という要素は体育における水泳運動を構成するものであることから、水泳指導に対する神経活動を応用した指導方法の開発にもつながることが予測される。
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)
平成26年
08月
~
平成26年
08月
教員免許状更新講習「身体教育の実践理論3」講師
◎社会への寄与等
文部科学省によって実施されている教員免許更新制の教員免許状更新講習において、「身体教育の実践理論3」の講師を担当し、地域の初等?中等教育機関で主に体育を担当している教員に対して、科学的知見に基づいた指導内容や指導方法の再考を講義した。内容について十分に理解を得られた。